僕の書斎
病室が書斎
がん延命治療で4回目の入院。個室を希望していつの間にか病室が書斎になった。不思議なものだ。物の定位置が決まってくる。
一日の過ごし方は同じパターンだけど自分の自由時間設定も時間帯も設定されてくる。自分なりの行動パターンが決まってくる。
副作用が出ている期間もそう長くない。高熱、食欲不振、吐き気、寒気、倦怠感、ふらつきなどあるが、なんとか耐えれる。
2回目の抗がん剤治療が終わった時点で、CTの結果、膀胱がんが縮小しているという結果だった。決して治るわけじゃないのにうれしく思うものだ。転移した骨はわからないが医療用麻薬を飲んでいるものの、痛みは全くなくなっている。ありがたい。今では体力、筋力はものすごく落ちたけれどまあまあ元気だ。
高級ホテル
不思議と自宅だと意外とやることが多いもので、宅急便、郵便、買い物、掃除、散歩などなど。知的生産する時間が少なる傾向。その点、病棟個室にいると、外出はできないけれど、買い物は病院内の大きいコンビニで済む。さすが大学病院で、医療従事者も買い物するので、なんでも売っている。もちろん郵便物も出せるのだ。なんと便利か。
時たま訪れるのは、看護師、担当医チーム訪問、掃除のおじさん、おばさん。ゴミ捨てのおばさんが来るぐらいで、それ以外は自由時間。たっぷりある。
静かな部屋で14階の大きな窓から外界をみながら知的生産に集中できるのだ。食事も薬も看護師さんが持ってきてくれる。寝たきりや介護が必要じゃない私には贅沢な時間を過ごさせてもらっている。この先どうなるかはわからないが。
よくよく考え方を変えてみれば、高級ホテルと考えれば部屋代は高いけれど個室でよかったと思っている。看護師との会話、掃除のおじさん、おばんさん、ゴミ捨てのおばさんなどなど、毎日コミニケーションが図れる。自宅にいるとなかなかできないことだ。
余命という有効期限が告知された自分にとっては、どこにいようが貴重な時間だ。その貴重な時間を最大限に使っていきたいと思っている。