医療用麻薬に感謝申し上げます
あれだけ痛かった癌疼痛。痛みは人間にとって高レベルのストレスだと緩和ケアの先生から聞きました。
私の場合、骨に転移しているので、骨の疼痛は半端じゃなかったのですが、医療用麻薬の投与で痛みがほぼやわらげられました。劇的的でした。
痛みの報告
痛みは体温や血圧の様に数値で示すことはできないので、まず、主治医、薬剤師、緩和ケアの先生らに伝えていきます。伝え方は、痛みの強さを10段階で表現していきます。
0:痛みがない
10:想像できる最大の痛み
0~10までの11段階に区切った時に最も近い数字を伝えていきます。あと症状も伝えていきます。
- どのような時に痛みが強くなるか?
- どうすると楽になるか?
- 一日のうちで痛みが強くなる時間はあるか?それは何時ごろか?
- どのように痛むか?ずきずき、重苦しく・きりきりなど
この報告の結果、医療用麻薬の種類や投与量が決められていきます。そして痛みがコントロールされれば、日常生活が可能となります。
- 痛みで眠りを邪魔にされない
- 安静にしていれば痛まない
- 身体を動かしても痛みが強くならない
痛みがほぼないことで、精神的にとても楽で、医療用麻薬の効果に感謝です。
当然医師の指導のもとですから中毒になる可能性は低いので安心。健康な時にはわからなかった感謝の思いを身にしみているこの頃です。
おば~ちゃん!気持ちがよ~くわかるよ!
隣の病室からな何やら数名の看護師たちの優しく大きな看護の声がしてきた。高齢のおばあちゃんが騒いでる。看護師たちの看護しながら話を聞いていると、どうも病室から逃げ出したい様子。
たまたま飲み物を買いに行く時でおばあちゃんの病室の中がうかがえた。窓から出ようとしているおばあちゃん。
それを阻止しようと車いすに乗せようと必死な看護師たち。おばあちゃんは、看護師たちの手をつねり、かみついたり、それはそれは必至だった。
買い物から帰るときにはナースセンターの別室へ運ばれる時だった。おばあちゃんが僕を見ながら、大きな声で「助けておくれ 助けてくれ」と叫んだ時、僕は何も言えず、顔も無表情になっていた。どうしようもつかない自分に罪悪感まで感じるほどの瞬間だった。
わかるな、おばあちゃんの気持ち。私の場合は、のこのこと散歩できるし、病状的に体力的にはなんとかトイレ・シャワーも自分でできる。
さらに動画や電子ファイルの整理(クラウドデーター)やブログやフFacebook、ツイッター、家族や仲間とビデオチャットなどSNSでなんとか暇をつぶしてなんとかしているけど、基本的には病状のつらさ、ムズムズするような孤独感と嫌になるほどの暇な時間と空気感はたっぷりある。
高齢者にとってはとんでもない場所
ふと思った。高齢で中途半端に元気は、入院はたまらない世界だと思う。動体能力も落ち、好きなように動けず、ブログやFacebook、ツイッター、家族や仲間とビデオチャット。SNSで時間をつぶすなんて程遠い世界だろうし、昔ながらの生活にお慣れになっている高齢者は、それはそれは退屈で独房の中そのものなのかもしれない。
看護師さんも「私も1カ月ほど入院した経験があるけど、おばあちゃんの気持ちよくわかります」と言っていた。それぐらい長期入院はつらいってこと。
老人ホームの様に余暇やボランティア演出、コンサート、カラオケ、ゲームのようなことができる施設があれば、少しは入院生活も患者にとってどれほど気持ちの安らぐことか。
もちろん、病院は病気を治すところと断言されれば何も言えないし、現代において経営的に無理というのもわかる。
人間はロボットじゃないし、感情もある生物。病気の先は「死」が待っているわけでから、そんな患者にこそ、余暇的空気が必要。
長生きしていればそれでいいとは、やはり言い切れない。長期入院しながら痛いほど感じるこの頃です。
吐き気の食欲不振時、食べれる食事がある
抗がん剤を投与すると私の場合2~3日後に発熱と吐き気が副作用として襲ってくる。口の中で金属の粉が染み出てくるような妙な味がしてきて、吐き気をが襲う。うがいでもしようものならさらに吐きそうになる。
のどを通るから不思議
そんな時、当然ながら食事はのどに通るわけがない。そんな時、この病院ではアラカルトメニューが用意されている。ただし一品だけ。そのメニューがこれ。
- エビグラタン
- ちらし寿司
- たこ焼き
- チャーハン
- 焼きおにぎり
- たらこパスタ
- 冷やし中華
- カレーライス
- お茶漬け
- アイス
- シャーベット
- 杏仁豆腐
- 果物盛り合わせ
カレーライス、チャーハン、エビグラタンなどは逆に気持ち悪いんじゃないかと思っていたけど、いざ頼んでみるとこれがまたのどを通る。そして美味い。もちろん一品で量は少量。でも納得感あり。気持ち悪い時はちょうどいい。
食欲不振の時には、自宅でもこのアラカルトメニューで満足いく食事ができると思うので、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。
がん治療、個室じゃないとつらすぎる
ネットでがん患者の悩みで多いのは何かって調べてみた。そしたら相部屋の悩みが多いのが目立ってた。
相部屋はつらすぎる
私も癌の手術した時の病院で、嫌な思いをしたのでこ病院で今回からは個室にしてます。相部屋だと嫌なことと、つらいことが合わさっちゃうんですね。がん患者の癌疼痛と抗がん剤の副作用の痛みや、苦しみが持続す場合、特につらいと思います。
- 周りを気にして声を思いっきり上げられない。この辛さはたまらない。
- 「う~」と声を出すと、嫌がらせの様にため息や咳払いを出す患者がいる。
- 周りのいびきがうるさかったり、うめき声がすごかったり、詰まった喀痰除去の音などなど、精神的にまいる。
- 癌ではない患者の症例をうらやんでしまう。
精神的に余命を言われ落ち込んでいるところに、嫌がらせのストレスを受けながらの治療じゃ何治療しているかわからないですよね。
一週間ほどの入院なら我慢できますが、今の私のようながん患者の抗がん剤治療などの場合は、ワンクールでも3週間になるので、癌疼痛や副作用など強い人は特につらい思いをしますね。
その点、個室は全く音を気にする必要ないし、トイレも好きな時に好きなように入れるし、シャワーも好きな時に好きなように入れます。テレビも電話も、ビデオ電話も気にしなくていいし、BGMをかけながら寝ていられます。消灯も気にしなくていいです。
私の場合、夜中にSNSを自由に楽しんでいます。周りを気にせず、軽い歩行で運動不足解消もできます。看護師さんとも周りを気にせず、ゆっくりじっくり話せます。
特別室の個室にする必要はないです。高額しすぎます。普通の個室でいいんです。もちろん費用面では少し高いですが、癌治療の場合は、なんとかできる限り個室入院の努力をしたほうが断然良いと思います。
癌患者が二人に一人の時代になっている今、不治の病癌治療の長期入院の場合、個室料金を減額し、少しでも楽な思いで治療に専念できるよう、国、医療団体に努力をしていただきたいと強く思います。
僕の部屋は病室
夜、目が覚めた
静かな夜
あれ?ここどこだっけって何度も思う
大学病院の個室病棟
ここが今では僕の部屋
吐気があったり
発熱があったり
骨がキシリキシリと痛かったり
そんな毎日もいつの間にか日常
こうやって僕の人生が終わるとしたら
急に涙が止まらなくなる
人は自分のために、誰かのために
何かしらの目標を持って毎日を歩む
生きている証を感じて
看護師さんを笑わせている自分がいる
それも今では生きてる証
掃除のオジサンと世間話に夢中になる
それも今では貴重な生きてる証
夜中に目が覚めると感傷的な自分になる
今日も生きている証を感じて
何か変化を求めて
今日も生きてる証を求めて
ありのままの気持ち
本音のホンネ
宣告受けるとどうなったか。書き残しておこうと思う。
先ずはがんという不治の病にかかったという運命を信じられなくなる。
次に涙がこぼれる。その運命をうらむ。そしてなんとか不治の病を受け入れようと努力する。
「死」を受け入れようと、したくもない努力をする。たぶんそれは気持ちが楽になるからだろう。たぶんそうに違いがない。
余命という魔の言葉
余命なんて言われるものだからとんでもない暗い境地に落とされる。
病は気からと言われているのにも関わらず、医学では統計からなりたつ確率論で話すのだ。免疫力を上げるどころではない。
それなのに免疫療法がどうのこうの本末転倒ではないだろうか。
言われて良かったという人はいったいどれほどいるのだろうか
行き着くところで思い始めたこと
行きたいところへ行っておいてくださいとか、会いたい人に会っておいてくださいとか医者に言われたけれど、いざ自分がその立場になるとそれほどないということだ。
懐かしい昔の人とは、心の思い出でいいような気がしてきている。当時の若々しいお互いのままでいいような気がしてきている。
写真さえあればいい。今になって電子化しておいて良かったと思っている。今は病棟のベッドの上で観ることができる。
行きたいところについては、行ければ行く程度で、絶対にに行かなくちゃみたいな気持ちは起きてこない。
好きなように生きればいい
今のところ要は、好きなように生きればいいってことかな。誰からも束縛されず、好きなように生きればいいという思いで満たされている。
湧き出てきた気持ちに忠実に、生あるものの最後として。
この先、どう心理が変わるか未知、でも基本姿勢は変わらないと思っている。
抗癌剤治療2ラウンド
がん宣告でわかったこと(2)副作用
膀胱癌と骨の転移併発で余命宣告され、抗がん剤治療が開始されたわけですが、この度、24日間の入院が終わり、一時退院一週間を経て、再び第2ラウンドの抗がん剤投与を受けることになりました。今回は2週間入院の予定。
昨日、抗がん剤を投与。点滴は吐き気止め、ゲムシタビン、カルボプラチン。第1ラウンドの抗がん剤投与で副作用は自分としては猛烈な苦しみではなかったので、想像していたより安心してはいます。
第1ラウンドでは、3日後にムカつきで夕食が食べれませんでしたが、2~3日で治りました。脱毛は今のところ大丈夫です。だいぶ遅くなってから抜けるとも聞いています。これも人それぞれだそうです。
白血球減少もそれほど落ち込むこともなく回復。血小板減少が多かったように聞いています。
癌疼痛のほうが意外とつらかったですね。骨への転移があるので、そこは医療用麻薬の調整を3週間で投与量も決まり、今ではそれほど辛くありません。ただ、睡魔がすごかったですね。これも数日でよくなってきました。
ただし主治医に聞くと抗がん剤投与を続けていくうちに体へのダメージが重なり、今後の繰り返し投与で副作用が出やすくなると主治医からは聞いています。副作用については人によってさまざまだといいますが、心配です。二日目。今のところ何も身体に何事も起きていません。
この度の抗がん剤における副作用はどういうのがあるか下記に示します。
血液検査からわかる副作用
肝機能障害 肝機能の働きが悪くなった場合、抗がん剤が抜けにくくなって、副作用が強く出ることがある。
血小板減少 血小板が少なるなるとケガをした時に血が止まりにくくなったり、あざができやすくなることがある。
貧血 めまい、ふらつき。場合によっては輸血治療
白血球減少 体内へ侵入した菌と戦う成分で、投与開始10~14日ごろに最も少なくなってウイルスに感染しやすくなる。
自分自身でわかる副作用
悪心・嘔吐・食欲不振
倦怠感 抗がん剤投入後2~3日後に現れることがある。
発熱
脱毛 抗がん剤投入後2~3週間に抜け始めることがある
抹消神経障害 手足のしびれ
血管痛 投与後に血管に沿って痛みがでることがある
聴覚障害 カルボプラチンを繰り返し点滴することで高い音が聞き取りにくくなったり、耳鳴りがおきることがある。
人によってさまざまだそうで、自分の細胞にダメージを与えるわけですから、考えてみれば残酷・過酷な治療。
これまでの人生、親からの遺伝子など作りあげられてきたこの「からだ」に感謝を言いつつ、がんばれと叫ぶ毎日です。